小説ア・ラ・カルト 〜季節と気分で選ぶ小説(時々映画)〜

季節と気分に合わせた読書&映画鑑賞の提案

春におすすめ別れの小説②恋愛編「濃紺」幸田文・著

「ぜひこの一足をあなたにはいてもらいたい、そう思って仕上げた。しかし、主人が上物は扱わせてくれないので、自費の材料ゆえ粗末で恥ずかしい。かなりなくせのある木目で、今日のあれとは比べものにならない。気をわるくされやしないかと心配だが、くせが…

春におすすめ別れの小説①家族編 「西の魔女が死んだ」梨木香歩・著

まいは、小さいころからおばあちゃんが大好きだった。 実際、「おばあちゃん、大好き」と、事あるごとに連発した。 そういうとき、おばあちゃんはいつも微笑んで、 「アイ・ノウ」 知っていますよ、と応えるのだった。 (新潮社「 西の魔女が死んだ」13ペ…

弾いたメダルチョコの出る目は表か裏か「銃とチョコレート」乙一・著

「カードをうらがえして確認したまえ」 彼が言った。 カードのうらには、風車小屋の絵が小さくえがかれている。 ぼくは目のまえの人を見あげた。 名探偵ロイズ。彼とのであいは、そのようにおこった。 ( 講談社文庫「銃とチョコレート」乙一・著 63ページ…

ロシア革命・亡命・戦争・法廷闘争・・・。『バレンタインにはチョコレートを』の元祖モロゾフの波乱万丈な伝記2篇

チョコレートを食べなくても、栄養に欠けるわけではない。死ぬわけでもない。それでも口にするのはおいしいからにほかならない。音楽や書物に心遊ばせたり、一杯の紅茶に気持ちをなごませるように、ひとは愉しみをもとめてチョコレート菓子を舌にのせるのだ…

今週のお題「応援」×「読書ブログ」=小説・映画の名言紹介

今週のお題「応援」 どうも。 「そういえば、はてなブログのお題とやらに投稿した事なかったな」なんてしれっと言うブログ主です。 (本当は自由に書くのは好きでも、人からお題を指定されるのが嫌で腰が重かっただけのブログ主ですw 「課題図書」を指定さ…

節分におすすめな鬼の本 ノワール(黒)編

一塊の鬼火が崇徳院の膝元から燃え上って、山も谷も真昼のように明るくなった。その光の中で、よくよく院のご様子を拝見すると、お顔は朱を注いだように赤く、雑草の様な髪は乱れて膝までかかり、白眼をつり上げて、熱い息を荒々しく吐き出すご様子がいかに…

節分におすすめな鬼の本 ブラン(白)編

まめまきの おとを ききながら、おにたは おもいました。 (にんげんって おかしいな。 おには わるいって、きめているんだから。 おににも、 いろいろ あるのにな。 にんげんも、 いろいろ いるみたいに) ( ポプラ社「おにたのぼうし」あまんきみこ・著 …

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