小説ア・ラ・カルト〜季節と気分で選ぶ小説(時々映画)〜

季節と気分に合わせた読書&映画鑑賞の提案

小説-気分で選ぶ

甘さゼロ?のスウィーツ×学園ミステリ第2弾「夏期限定トロピカルパフェ事件」米澤穂信・著

「<ティンカー・リンカー>のピーチパイ!白桃を使ってて、とってもとってもおいしいの!」 そしてそのまま、小佐内さんの笑顔は凍りつく。 蒸し暑い夏の日、この瞬間ぼくと小佐内さんの間にしんと冷えた空気が下りてきたのを、ぼくは確かに感じていた。 (…

透き通るほど美しく哀しい不朽の名作 「銀河鉄道の夜」宮沢賢治・著

するとどこかで、ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと云う声がしたと思うといきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊の火を一ぺんに化石させて、そら中に沈めたという工合・・・ (新潮文庫「新編銀河鉄道の夜」宮沢賢治・…

今夏は王道の和テイスト恐怖小説はいかが?「営繕かるかや怪異譚」小野不由美・著

俯いた女は折り目正しく頭を下げた。帯締めに下げた鈴がチリンと鳴った。 「お悔やみを申し上げます」 女ははっきりとそう言った。 (角川書店「営繕かるかや怪異譚」小野不由美・著 108頁より) ブログ主の住む関東は、なかなか梅雨が明けない日々ですが…

ミステリーの女王自薦の、それはそれは恐ろしいサスペンス 「終わりなき夜に生れつく」アガサ・クリスティー著

「そういうときこそ気をつけないと」フィルポットは言った。 「いわゆる死の予兆(フェイ)というやつですよ。」 (ハヤカワ文庫「終わりなき夜に生れつく」アガサ・クリスティー著 239頁より) 読み終えた時の第一声、「なんて恐ろしい小説だろう。」こ…

春の宵に、一瞬にして永遠なる恋のお話しはいかが? 「愛の手紙」ジャック・フィニイ 著

「信じてください。ぼくは、きみがこれを読む八十年もあとの時代に実在し、生きているのですー。きみと恋に落ちたことを、心の底から信じながら。」 (ハヤカワ文庫「ゲイルズバーグの春を愛す」ジャック・フィニイ 著 207頁より) 春本番になって、寒の戻り…

甘さゼロ?のスウィーツ×学園ミステリ「春期限定いちごタルト事件」米澤穂信 著

「わたし、スタンダードシフォンと、コーヒー」 まずはシフォンで肩慣らしか、と思ったが、 「・・・・・・とミルフィーユとパンナコッタとストロベリーショート」 いきなり全開ですか。 (創元推理文庫「春期限定いちごタルト事件」米澤穂信 著 155頁より)…

チョコレートは甘くほろ苦いだけ?小説「ショコラ」ジョアン・ハリス 著

「でも、人生は祝福するべきものだわ。そのすべてを。つまり、その最後さえも。」 わたしは、ホットプレートに載ったポットを手にとって、ふたつのグラスにホットチョコレートを注いだ。 (角川書店「ショコラ」ジョアン・ハリス著 231頁より) 春も間近なバ…

冬の港町を舞台にした、幻想的でノスタルジックな二少年の冒険譚を。「三日月少年漂流記」長野まゆみ 著

「寒くなったな、夜天(そら)が落ちてきそうだ。」 「夜天(そら)が、星ぢゃないのか。」銅貨が訊き返すと、 「夜天だよ。今にも留め金が外れて天井板のように落ちてきそうなほど凍ってる。」 (河出書房新社「三日月少年漂流記」長野まゆみ・著 74頁よ…

木枯らし1号が吹く頃になったら、じんわり沁み入る冬の絶品短編集を。「季節風*冬 サンタエクスプレス」 重松清 著

「もしもなっちゃんが「早く帰りたい」と言うのならせめて途中で『ひかり』に乗り換えよう、と携帯電話で時刻表を調べかけた、そのときー。 「ねえ、パパ・・・・・・サンタさん」 なっちゃんが言った。 「はあ?」 「トナカイさんも、ホームにいるよ」 (文…

雪原のロシア辺境地で繰り広げられる一青年の冒険譚を。「大尉の娘」アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・プーシキン著

「じゃ行って来い、ピョートル。いったん忠誠を誓ったら、その人に忠勤を励むんだぞ。上官の言うことをよく守れ。上官の機嫌をとるじゃないぞ。勤務の上で出しゃばるな、また勤務をずるけるな。それからこのことわざを覚えとけ -おろしたてから着物を惜しめ…

闇夜が長くなるハロウィーンから冬至にかけて稀代の名手によるゴシックホラー小説を。「幽霊」イーディス・ウォートン 著

夢を見ていたに違いないと思い始めましたが、壁に下がった呼び鈴を見ると、まだ揺れているではありませんか。 (作品社「幽霊」イーディス・ウォートン著 145頁より) ハロウィーンからクリスマスあたりの、夜が長くなる季節になると繰り返し読みたくなる…

秋に差し掛かったら文化祭の1日を切り取った学園ミステリ小説を。「文化祭オクロック」竹内真・著

「それでは皆さん、東天祭の始まりです!」生徒会長がそう宣言した瞬間に文化祭が開幕する。⋯八百人分のエネルギーが一気に解放され、どよめきや足音へ変わっていく。 (東京創元社文庫「文化祭オクロック」 竹内真・著 4頁) ご紹介する小説は、竹内真さん…

真夏の夜に和テイストの恐怖小説を。「きつねのはなし」森見登美彦・著

掌に覆われた顔が暗くなり、指の隙間から眼球がのぞいていた。私は驚いて彼の仕草を見つめた。「狐の面だよ」彼は言った。 (新潮社「きつねのはなし」森見登美彦・著 30頁より) ご紹介する小説は、森見登美彦さんの「きつねのはなし」です。 目次 「きつ…

ジャズのスタンダードナンバー に彩られた瑞々しい小説を。「サマータイム」佐藤多佳子・著

ぼくの頭の中でふいにピアノの音が踊り出した。右手だけの力強いサマータイム! (偕成社「四季のピアニストたち[上]サマータイム」佐藤多佳子・著 70頁より) 紹介するのは佐藤多佳子さんの小説「サマータイム」です。 偕成社から単行本、新潮社から文庫…

夏の始まりにレトロで幻想的な「現代版・雪渡り」を。「夏至祭」長野まゆみ・著

今夜は秘密を持つ夜にふさわしい月が出ている。まもなく北西の地平に沈むところだ。天蓋は群青に澄み、ゆっくりと回転しはじめた。 (河出書房新社「夏至祭」長野まゆみ・著 22頁より) ご紹介する小説は、長野まゆみさんの「夏至祭」です。 河出書房新社…

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