小説ア・ラ・カルト 〜季節と気分で選ぶ小説(時々映画)〜

季節と気分に合わせた読書&映画鑑賞の提案

節分におすすめな鬼の本 ブラン(白)編

まめまきの おとを ききながら、おにたは おもいました。

(にんげんって おかしいな。 おには わるいって、きめているんだから。 おににも、 いろいろ あるのにな。 にんげんも、 いろいろ いるみたいに)

( ポプラ社「おにたのぼうし」あまんきみこ・著 より)

 

 ソメコが いなくなって、 大さわぎして さがしている ソメコのお父ウのウチへ、 オニから 手紙がきた。 それには こうかいてあった。

ソメコのお父ウよ。 ソメコは おれの 岩屋にいるから はやくつれにきてくれ、 たすけてくれ、

( 岩崎書店「ソメコとオニ」斎藤隆介・著 25、26ページより)

 

おにたのぼうし (おはなし名作絵本 2)ソメコとオニ (岩崎創作絵本)

 

 

 

 

どうも。正月休み明けの怒涛の平日5日間を乗り越え、迎えた3日連休。「あれ?時間が1週間巻き戻って正月休みが戻ったのかな?ばんざ~い!!!」と現実逃避しているブログ主ですww

 

・・・バカはさておき、お正月に続く次の行事と言えば節分ですね。そして節分に欠かせないダークヒーロー、それが「鬼」ですね。

ということで、節分におすすめの鬼が出てくる本を2回に分けて語っていきたいと思います。

 

~*~*~*~*~*~*

ところで皆さんは鬼と聞くと印象としてはどうでしょうか。やっぱり基本的には邪悪なモノ、怖いモノという感じでしょうか。人ならざるモノ、人外の残酷さ、あるいは人間の心に巣食う暗黒を指す場合もあるかも知れません。

ノワール小説」から連想して、「節分におすすめな鬼の本 ノワール(黒)編」と題して、その類は次回ご紹介しようと思います。

 

本日ご紹介するのは、ノワール(黒)の逆。

ブログ主も、鬼と聞いたら基本的には怖いイメージを抱きます。しかし、こと「鬼の本」ということならば、真っ先に思いついたのは「優しい鬼」あるいは「可笑しい鬼」の本でした。ノワール(黒)の反対ということで「ブラン(白)編」と題して本日ご紹介するのは、

 『おにたのぼうし( あまんきみこ・著)』と『ソメコとオニ( 斎藤隆介・著)』2冊の絵本です。

 

 

目次

 

①「おにたのぼうし」

 

  • 「おにたのぼうし キーワード」
  • 「おにたのぼうし あらすじ」
  • 「おにたのぼうし 味わいポイント」

②「ソメコとオニ」

 

  • 「ソメコとオニ キーワード」
  • 「ソメコとオニ あらすじ」
  • 「ソメコとオニ 味わいポイント」

余談ですが・・・

  • 赤ごはんとうぐいす豆おいしそう

 

 

 

 

 

 ①「おにたのぼうし」 

おにたのぼうし (おはなし名作絵本 2)

おにたのぼうし (おはなし名作絵本 2)

 

 

 

「おにたのぼうし」キーワード

 

おにの男の子 節分の夜 柊 

赤ごはんとうぐいす豆 雪 

女の子 

豆まき  

 

 

 

 

「おにたのぼうし」あらすじ

 

節分の夜。黒おにの子おにたは住みついていた物置を離れる。豆を撒かれてしまったからだ。おにたは新しい居場所を求めて雪の中を彷徨うが、どの家も柊を飾り豆の匂いが漂ってくるので中に入れない。しかし、豆の匂いがしない家が1軒あった。家の中から女の子が出てきて、洗面器の中に雪をすくっている。その隙に中に入ったおにた。家の中には病気の母親が寝ていた。女の子は母親の熱を冷ますために雪をすくっていたのだ。母親からお腹が空いていないか聞かれた女の子は、「あったかい赤ごはんとうぐいす豆をもらったから平気」と答える。しかし、台所が空っぽなのを見てとったおにたは夢中で外に出て行き・・・。 

 

「おにたのぼうし」味わいポイント

 

純粋、これに尽きる

 

実はこの「おにたのぼうし」、小学校の国語の教科書にあった作品です。知ってる人もいるのでは?(その場合、きっと同年代ですね。)

小学生の時は単に「なんか、おにたも女の子もかわいそうだなー。」くらいしか思っていませんでした。

まあ、それはたしかにそうなのです。おにたも女の子も何かにじっと耐えている子供たちです。しかし、大人になって読み返すと、その耐えている子供たちの健気さ伝える力ものすごい作品だったのだとあらためて分かります。

たとえば、女の子がおかあさんに「おなかがすいたでしょう?」とたずねられる場面。女の子は一瞬、はっとしてくちびるをかむのですが、次には首を横にふって「すいてない」と答えます。そして次のように続けます。

「あたし、さっき、たべたの。あのねえ・・・・・あのねえ・・・・・、おかあさんが ねむっているとき。」と、はなしだしました。

「しらない おとこのこが、もってきてくれたの。あったかい あかごはんと、うぐいすまめよ。きょうはせつぶんでしょう。だから、ごちそうが あまったって。」

“あのねえ”の後にしばらく間が空いています。大人になった今、この「・・・」 が表しているのは、空腹を我慢して母親を安心させるための作り話を一生懸命考えていた健気な幼心なのだと分かります。

 

一方、おにたにもそんな場面があります。

女の子と母親のやり取りを聞いて台所を見に行ったおにた。しかし、台所が空っぽなのを見て、女の子が本当は作り話をしていたことを見抜きます。そして夢中で外へ飛び出していきます。しばらくして、

おんなのこが でていくと、ゆきまみれの むぎわらぼうしを ふかく かぶった おとこのこが たっていました。そして、ふきんをかけた おぼんのようなものを さしだしたのです。

「せつぶんだから、ごちそうが あまったんだ。」おにたは いっしょうけんめい、さっき おんなのこが いったとおりに いいました。

“ゆきまみれの むぎわらぼうし” の一文で、おにたが苦労して女の子のために赤ごはん とうぐいす豆を探してきたのがよく分かります。やはり健気な幼心からでしょう。

 

ブログ主は甥っ子を見ていると、ふと思うのです。子供って普段はほんと「いいよなあ、我儘放題で。こっちも我儘放題してやりたいわw」って感じなのですが、時々こちらが切なくなるほど健気になるんですよねえ。やはり子供は純粋な生き物なんだなとあらためて思います。

それに比べて、我々大人は・・・。冒頭に引用したおにたの台詞がラストと共にさくっと胸に刺さりました。

『にんげんって おかしいな。 おには わるいって、きめているんだから。おににも、いろいろ あるのにな。にんげんも、いろいろ いるみたいに。』

 

 

 

 

 ②「ソメコとオニ」

 

 

ソメコとオニ (岩崎創作絵本)

ソメコとオニ (岩崎創作絵本)

 

 

 「ソメコとオニ」キーワード

 

ソメコお転婆の化身 

赤鬼 鬼の岩屋 

手紙 かくれんぼ 

おにごっこ 金の俵

 

 

「ソメコとオニ」 あらすじ

ソメコは5才。お父ウもおっ母ァも兄ちゃんも姉ちゃんも、誰もソメコとたくさんは遊んでくれず、働いてばかり。村のおじさんおばさんに至っては「あちサ行け、一人で遊べ」とまったく遊んでくれない。毎日毎日つまらないソメコのもとに、ある日強面の知らないおじさんがやって来て、ソメコと遊んでくれた。ソメコは喜んでおじさんにくっ付いて行ってしまう。そこは鬼の棲家の岩屋。おじさんは鬼だった!これでおじさんとたくさん遊べるぞと張りきるソメコだったが、岩屋に着いた途端、鬼は「お前のお父ウに手紙を書くからあっちに行ってろ」と遊んでくれなくなる。しかし、そんな言葉に従うソメコではなく、1日中遊べ遊べとくっ付いて回る。すっかり弱り果てた鬼は・・。

 

 

「ソメコとオニ」 味わいポイント

 

 純粋、これに尽きる(2回目w)

 

はい、2回目ですね。しかし「おにたのぼうし」とは真逆の純粋さです。それこそ「いいよなあ我儘放題で。こっちも我儘放題してやりたいわw」の方ですね。

天真爛漫そのままのソメコに鬼もタジタジです。

ソメコは、 ウチのものに はなれて タッタ一人岩屋に つれてこられても、 ないたりなんか しなかった それどころか -サア、おじさんと ふたりッきりで あそべるゾ!と、 はりきっていた。(本文12ページより)

 ウチの甥っ子もソメコと同じタイプだな、絶対泣かないw

知らない人には付いて行かないよう教えなくては。

 

棲家に戻った鬼は早速「身代金要求」の手紙を書こうとするわけですが・・・。

ソメコは、 チッチャイ手を ピチョンピチョンとうって、 オニのまわりを チョコマカと はねてまわった。 岩のつくえのまえに すわっているオニは、 やかましくって 手紙なんぞ かけはしなかった。(本文22ページより)

 面倒くさくなった鬼は、ソメコが泣いても構わないと思って赤鬼の姿に戻って脅してみようとしますが・・・

 「アーララ、アララ、おヘソが みえら!」

ソメコは、 虎の皮のフンドシ一枚の はだかの オニのすがたをみて、キャッキャと わらった。(本文20ページより) 

まったく通用しないw

 

ラストはソメコの家族のもとに届いたオニからの手紙で幕を閉じますが、ブログ主は爆笑せずには読めませんでしたwww

ソメコのお父ウよ。 ソメコは おれの 岩屋にいるから はやくつれに きてくれ、 たすけてくれ、(本文26ページより)

攫ってきたくせに、なぜかSOSから始まるオニの手紙w

是非本編で続きを読んでみて下さい。

 

「ソメコとオニ」も小学校の国語の教科書で読みましたが、こちらは「おにたのぼうし」とは反対に、当時と同じ気持ちで童心に帰って読めました。・・・あ、いやオニに肩入れして読んでいる節もあったかも。「ああ、オニ大変だな分かるw」と。

 

 

 

 よく、子供のことを「子鬼」なんて言い方をしますが、鬼って実は人間よりよほど純粋な存在なのではないか、子供はそんな鬼に近い存在なのではないか。

両作とも子供の純粋さを見事に描き切った良作だったんだな、とあらためて思いました。

 

 

 ~*~*~*~*~*~*

ということで、「節分におすすめな鬼の本 ブラン(白)編」として「おにたのぼうし」「ソメコとオニ」の2冊について語ってみました。

おそらく、大概の公立図書館には置いてありそうな気がするので、是非手に取ってみてはいかがでしょう。(ちなみにブログ主も最初は図書館で借りてきたのですが、速攻でネット購入しましたw)

 

次回は今回とは真逆の、恐ろしい鬼の小説を「ノワール(黒)編」としてご紹介する予定です。

 

 

 

 

余談ですが・・・

赤ごはんとうぐいす豆おいしそう

節分と言えば、毎年問題になるのが恵方巻きの大量食品ロス問題。ここ最近は完全予約制にするなど改善が見られるようですが、行き過ぎた商戦熱のせいでしょうか。太巻きは好物ですが、こと恵方巻きに関しては「なんか、もういいかな。」って感じです。「おにたのぼうし」に出てくる赤ごはんとうぐいす豆の方がよほどおいしそうです。今年は赤ごはんとうぐいす豆にしようかなあ。

 

 

 

 

 

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