今行くよーッと思わず返辞をしようとした。途端に隙間を漏って吹込んできた冷たい風に燈火(ともしび)はゆらめいた。船も船頭も遠くから近くへ飄(ひょう)として来たが、また近くから遠くへ飄として去った。唯(ただ)これ一瞬の事で前後はなかった。 屋外…
こいつ、おかしい。すごい変わってる。 でも、どこがだろう。何がだろう。 そういえば、こいつとはここまで、一度も鍔迫り合いになっていない。 もう一度、何本か続けて打ち込んでみる。 メンメン、引きゴテ、メン、引きドウ、コテメンー。 (文春文庫「武士…
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