「若いころは悪さもしたが、恋はいいものだ。」
(劇中、パオさんの台詞より)
6月も半ばに入り、梅雨真っ只中。☂ みなさん、いかがお過ごしですか?
5月まではあんなに青空が多かったのに本当に梅雨入りした途端、ぐずついた空模様ばかり。☂☂☂
なんだか、雨ばかり続いていると、ずーっと灰色の世界にいる様な、モノクロの色彩しか見ていない様な気がして、ぼおーっとしてきませんか?
そんな時は、ぼおーっとした浮遊感(?)はそのままに、でも色彩感覚は取り戻してくれる様な、南国台湾のカラフルな映画はいかがでしょうか。
ご紹介する映画は、2011年台湾・アメリカ制作映画「台北の朝、僕は恋をする(原題 Au Revoir Taipei)」です。
目次
- あらすじ
- 味わいポイント
①ゆる~い笑いの脱力系チェイシング・ゲーム
②みんな恋する魅力的な夜の台北
- 予告編動画の紹介
あらすじ
付き合っている彼女がパリへ行ってしまった主人公カイ(ジャック・ヤオ)。両親が営む料理店を手伝いながら、本屋に通ってはフランス語の教材を空しく立ち読みする日々ー。頻繁に通ってくる彼に興味を持ったのは、本屋で働くスージー(アンバー・クォ)。スージーは声を掛けてみたが、カイはパリへ行く事ばかり考えている。
ある日、連絡の取れなかった彼女からやっと電話が掛かってきたが、それは別れを告げる電話だった・・・。
何としてもパリへ行って彼女と直接話したいカイ。だが、金が無い。そんな時、近所の不動産屋パオさん(カオ・リンフェン)が、金を用立ててくれるという。ただし、ある条件付きでー。
その条件とは、指定された場所で小包を受け取り、パリへ届ける事。そんな二人のやり取りを、不動産屋のスタッフでパオの甥っ子ホン(クー・ユールン)が盗み聞きしていた・・・。
無事、指定された場所で小包を回収したカイだが、その様子を刑事のチーヨン(ジョセフ・チャン)が見張っていた。
カイは台北を離れる前に、親友のカオ(ポール・チャン)と夕飯を食べようと夜市へやって来る。そこで偶然、スージーと出くわす。3人で食事をしようとした矢先、何故かホン率いるチンピラ3人組に絡まれ、カオがさらわれてしまう。更にカオを取り戻そうと追いかけるカイとスージーを、刑事のチーヨンが追いかける・・・。
謎の小包を巡って、夜市とネオンと恋に彩られた台北の夜を駆け抜ける三者の行方はー。
味わいポイント
①ゆる~い笑いの脱力系チェイシング・ゲーム
とりあえず、ゆるいです。というのも、登場人物のほとんどが、どこか間が抜けてて愛らしいキャラだからかな、と。
まず、主人公のカイ。
毎晩毎晩、本屋にフランス語の教材を立ち読みしに来ますが、買う気はゼロ。のっけから「いや、そんだけ立ち読みするなら買えよ。てか無意味だろw」と突っ込みどころ満載ですが、どう考えても怪しげな受け取り役を引き受けてしまうアホっぷり。そして厄介ごとに巻き込まれた時の対処能力はゼロ。
言っちゃなんですが、こんな何の取り柄もない冴えない奴が、なにゆえスージーの様な可愛い娘に興味を持ってもらえるのかナゾですw
カイに金を用立てる代わりに謎の小包の受け渡しを頼むパオさん。
どっからどう見てもカタギじゃないw
でも、小包の受け渡しは別としても、「恋はいいものだ」とカイの恋愛を本気で後押している人物です。
カイの親友、カオ。
ご覧の通りのぬぼぅっとした奴ですが、ちゃっかりもしています。
誘拐されたはずなのに、なぜかチンピラ3人組と麻雀中。しかも強い。
そしてすごくいい奴です。カイとスージーの間をさり気なく取り持ちます。でも、自身の恋愛では、意中の娘に気持ちを伝えられないでいます。
パオの甥っ子でろくでなしのホン
パオの甥っ子で、一見、不動産屋スタッフとして折り目正しい様に見えますが・・・
パオの目の届かないところでは、手下のチンピラを使ってスクラッチくじの万引きをしたり、しょうもない事ばかりしている子供。
くじ屋のおばさんにバレて傘で叩かれてますw
あ、ちなみに手下の3人組もお約束の間抜け3人組です。
自称レディーキラーの刑事チーヨン
カイが受け取った小包を違法なブツだと考え、カイとスージーを追跡します。
部下からは仕事もできて、女にもモテる「かっこいい先輩」と目を輝かされていますが・・・。
なおざりな扱いをしていたら、彼女が愛想を尽かして出て行ってしまう。しかもカイ達を追跡中にその彼女が別の男といるところに遭遇し、追跡を放棄w
唯一まともな紅一点のスージーはすごく可愛い。
そして大活躍。主人公よりもよほど頼りになります。
カイのどこが良かったのか、ほんと…。
こんな感じで、チェイシング・ゲームの役者たちはみんなどこか間抜けで、ゆる~い笑いを巻き起こしながら夜の台北を駆け抜けていきます。
②みんな恋する魅力的な夜の台北
本作のもう一つの魅力、それは夜の台北の描写。
夜市の電燈、ネオン街の煌めき、夜の公園でダンスをしているおばさん集団、ひっそりとした夜のお寺・・・。
そして、美味しそうな台湾料理も随所に。
どぎつい色味と屋台料理から立ち上る湯気と匂い、人ごみー。
登場人物の誰も彼もが恋に悩んでいるけれど、この台北の夜それ自体に恋してしまいそう。どこか幻想的で魅力的な夜の台北は、登場人物たちの恋にそっと寄り添います。
うっとうしい梅雨時に、カラフルだけどゆる~い"浮遊的時間”を過ごしてはいかがですか。
予告編動画の紹介
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