小説ア・ラ・カルト 〜季節と気分で選ぶ小説(時々映画)〜

季節と気分に合わせた読書&映画鑑賞の提案

小説スイーツ🌸春

どうも。3連休の浮かれ気分に任せてこんな企画を思いついちゃったブログ主です。

いや、ツイッターでは少し呟いた事があったのですが、本当にやっちゃうのがアホなブログ主ですw

 

小説を読んでると時折出てくる、小説を彩るスイーツたち。そんなスイーツたちを勝手に『小説スイーツ』と名付け、思い付くままに紹介してみようと思います。そして、せっかく桜もチラホラ咲き始めてきたので、春限定なスイーツ&小説に絞ってみます。

 

目次

 

 

『三月は深き紅の淵を』×『よもぎ餅』

 

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

  • 作者:恩田 陸
  • 発売日: 2001/07/13
  • メディア: 文庫
 

あらすじ;会社員の鮫島巧一は、読書が趣味という理由で会長の別宅に招待される。彼を待ち受けていたのは会長の金子のほか、金子の読書仲間3人。 彼らが鮫島を招いた理由は、屋敷のどこかにある「三月は深き紅の淵を」という稀覯本を見つけ出すため。この稀覯本は、作者不明なうえ、ごく少数の人物に手渡された後、ほどなく作者自ら回収してしまったという。しかも誰かに貸す場合は一人に一晩のみという条件付きだった・・・。

 

のっけから「三月」という題名をもつ、まさに旬な小説です。

別宅に招待された鮫島がお相伴にあずかった夕食。キビナゴの一夜干し柳川仕立てに菜の花のくるみあえ、セロリと蒸し鶏とリンゴのサラダ、イワシの竜田揚げ、ブルーチーズにおぼろ昆布とママレードジャムを添えたもの。そしてこんな一節が続きます。

あと、帰り道の和菓子屋にうまそうなよもぎが出てたんで、こいつを揚げ出しにしてみた。こんなとこかね。我々は年寄りだからいいかもしれんが、鮫島君は足りないかもしれないな。足りなかったらまた作るから言ってくれ。」恩田陸「三月は深き紅の淵を」39ページより)

 ちょうど近所の行きつけの和菓子屋さんに草餅( よもぎ餅)が出ていたので、この一節を思い出して作ってみました。フライパンに多めに油を引いて揚げ焼きに。味付けは砂糖醤油にくぐらせました。

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よもぎ餅の草色が鮮やかです。

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 外はカリッと中は柔らか、砂糖醤油の甘じょっぱい奥からよもぎの香りが香ってきて美味でした。

鮫島がご馳走になった他のメニューも気になりますね(特にブルーチーズのおぼろ昆布ママレードジャム添え)。

 

 

 

 

春期限定いちごタルト事件』×『いちごタルト』

 

 

 

shosetsu-eiga-alacarte.hatenablog.jp

 

続いては過去に紹介した 「春期限定いちごタルト事件」より「いちごタルト」(そのまんまやん)。

小佐内さんの口許に自然な微笑みが浮かんだ。

「<アリス>のね、春期限定いちごタルト。いちごだらけなの。今年も、絶対買うの」

いちごだらけ。あんまりおいしそうな語感じゃないな、とまず思う。けれど、小佐内さんがこうして微笑むのは、いまとなってはもう、甘いものの話をするときぐらいだ。だからぼくは水を差さずに、それは楽しみだねと答える。米澤穂信春期限定いちごタルト事件」23ページより)

 

実は一時、タルトを作るのにはまってた時期がありました。レモンタルトやらパンプキンタルトやら、キッシュも作りましたっけね。その時にこの作品を思い出して「いちごタルトも作ってみよう!」と作ったのがこちらです。

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いちごだらけですw「お店で売っているのは苺が少ない!」という不満も、自分で作ろうと思ったきっかけだったりします。なので小鳩くんには悪いですが「いちごだらけ」は立派な褒め言葉ですw

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一応、タルト生地もカスタードソースも手作りです。 

 

 

アイスクリン強し』×『 苺アイス』

 

アイスクリン強し (講談社文庫)

アイスクリン強し (講談社文庫)

  • 作者:畠中 恵
  • 発売日: 2011/12/15
  • メディア: 文庫
 

 あらすじ;時は文明開化の明治。居留地育ちのミナこと皆川真次郎は西洋菓子屋「風琴屋」を開く。元幕臣の巡査たち(通称若様組)や成金実業家の令嬢も加わって繰り広げられる、西洋菓子黎明期のドタバタスイーツミステリー。

 

「明治時代」×「スイーツ」×「ミステリー」という異色でポップな連結短編集です。3話目で真次郎は成金実業家の令嬢にして店の馴染みの沙羅さんから、突如竹ぼうきで殴り掛かられますwその理由はある新聞記事。その記事には真次郎が女学校で西洋料理の授業を行った際、女学生の手を取って調理指導をした、と面白おかしく書かれていたのです。まったくのデマだと弁明するも聞く耳を持たない沙羅さんに、真次郎はもっと具体的にいつのどの授業の事だったか、沙羅さんに説明します。

アイスクリンの作り方を教えた時、苺のジャムを特別に混ぜ込んだだろう。あれは沙羅さんが、ジャムが好物だというから作ったんだぞ。日頃助けてもらっていることへの感謝だ。あの時ちゃんと、そう言っただろうが」(126ページより)

そこまで聞いてやっと新聞のデマに気づく沙羅さん。

「・・苺の、ジャム?」

「あら、この記事、あの時のことなんだ」

それから手の中の箒に目をやると、小さく舌を出してから着物の後ろに隠す。(126ページ)

普段、苺のアイスを食べるなら当然、既製品の苺味のアイスを買いますよね。ではなくてジャムを混ぜて苺味にする・・・。少し意外だったのでやってみました。さすがにアイスクリームを作るところからやろうとは思わなかったので、既製品のアイスを調達。ジャムは作ってもよかったのですが、今の季節だとまだ屑苺が無い(そのまま食べないともったいない等級の苺しか無い)のでこちらも既製品のジャムを使いました。

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 予想通りですが甘かった。アイスクリーム自体がそのまま食べてちょうど良い甘さですからね。そこへ更に甘いジャムを入れてしまったら・・・。

あ、でも小説の方は西洋菓子の黎明期がバックグラウンドとして描かれていて、とても面白いですよ💦軽やかな春にはピッタリの、ライトなミステリーです。

 

 

 

草枕』×『 羊羹』 

 

 最後はこちらも過去にご紹介した事のある、夏目漱石の「 草枕」より「 草枕」×「 羊羹」。

 

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 羊羹自体は特に春のスイーツというのではありませんが、『 草枕』は『春の小説の中の春の小説』『春の小説の代名詞』『King of 春の小説』だと勝手に思っています。その『 草枕』に羊羹の描写が出てくるのでどうか大目に見て下さいw

漱石はよほど羊羹が好きだったようで、9行もの行数を割いて羊羹について描写しています。

菓子皿のなかを見ると、立派な羊羹が並んでいる。余はすべての菓子のうちでもっとも羊羹が好きだ。

 

別段食いたくはないが、あの肌合が滑らかに、緻密に、しかも半透明に光線を受ける工合は、どう見ても一個の美術品だ。ことに青味を帯びた煉上げ方は、玉と蠟石の雑種のようで、はなはだ見て心持ちがいい。

 

のみならず青磁の皿に盛られた青い煉羊羹は、青磁のなかから今生まれたようにつやつやして、思わず手を出して撫でてみたくなる。西洋の菓子で、これほど快感を与えるものは一つもない。

 

クリームの色はちょっと柔らかだが、少し重苦しい。ジェリは、一見宝石のように見えるが、ぶるぶる顫(ふる)えて、羊羹ほどの重味がない。白砂糖と牛乳で五重塔を作るに至っては、言語道断の沙汰である。

うっとりと羊羹について語る漱石先生が目に浮かぶよう。「肌合」などと妖艶な表現まで飛び出すほどですw

煉り上げた羊羹が「青い」のはよく分かります。たしかになめらかな羊羹は青い。

そして西洋菓子の代名詞たるケーキの事は“白砂糖と牛乳で出来た五重塔”とこきおろし、しかも“言語道断の沙汰”だそうなw 面白すぎるww

 

本当は行きつけの和菓子屋さんの羊羹の写真を載せたいな、と思ったのですが「このお菓子はこの季節」というのが徹底しているお店でして、羊羹は夏に水羊羹、秋に栗羊羹しか出していないのです・・・。

 

 

という事で、いつもと趣向を変えてみまして、小説を彩る小説スイーツたちを紹介してみました。

お付き合いいただきありがとうございます。

もし、「いや、春の小説スイーツならこれを入れとかなきゃダメだろ!」という一品がありましたら是非是非コメント下さい。

 

 

 

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