小説ア・ラ・カルト〜季節と気分で選ぶ小説(時々映画)〜

季節と気分に合わせた読書&映画鑑賞の提案

児童書と侮るなかれ 格調高い英国ゴシックホラー「モンタギューおじさんの怖い話」クリス・プリーストリー著

なぜか、おじさんの家へ行くときに、森の木々が葉をつけていた記憶がない。あの森をぬけていくときは、いつも寒くて、霜がおりているか、雪がふっていたような気がする。葉といえば、地面の上でくさりかけている枯れ葉以外、見たおぼえがないのだ。( 理論社「モンタギューおじさんの怖い話」クリス・プリーストリー著10頁より)

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今年の秋はどうも訪れが遅かった印象ですが、11月に入って急に冷え込んできましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

ブログ主は10月が一番好きなのですが、今年の10月はイレギュラーな休日出勤が多くて、大好きな10月を楽しめなかった感じです。ええとても腹立だしかったですw 今日ご紹介する小説も、本当はハロウィーンの頃に紹介したかったのに🎃👻🍭

 

ハロウィーンは過ぎてしまいましたが、冬至にかけて一番日が短くなっていく今の季節にピッタリの🇬🇧英国ゴシックホラー小説、いかがですか?

 

 

 

 

 

 

目次

  • 「モンタギューおじさんの怖い話」キーワード
  • 登場人物紹介
  • あらすじ
  • 味わいポイント

  ①古く暗い屋敷×暖炉と紅茶×霧=正統派英国ホラーの舞台装置

  ②(子供が読んで大丈夫か心配になるほど)大人が楽しめる残酷な物語

 

 

 

 

 

 

「モンタギューおじさんの怖い話」キーワード  

森 子供 古く暗い屋敷 暖炉 大おじ 肘掛椅子    怪奇話 懐中時計 ニレの木 人形 開かずの扉 ベンチ飾り 絵画 額縁   写真 望遠鏡 教師

 

 



登場人物紹介

 

  •  エドガー・・・主人公。モンタギューおじさんの屋敷へ通いお話を聞くのが好き
  • モンタギューおじさん・・古い屋敷に住む謎の人物。エドガーの親戚筋

 

 

 

 

 あらすじ

 

主人公のエドガーは近くの屋敷に1人で住んでいるモンタギューおじさんからお話を聞くのが好きで、よくおじさんの屋敷に通っている。

暗く寒い屋敷の中、一つだけ赤々と点る書斎の暖炉。肘掛椅子に深く埋もれながら、モンタギューおじさんはエドガーに話して聞かせる。書斎中に飾ってあるいわくつきの品々の物語を。小さな陶器の人形、悪魔をかたどったベンチ飾り、絵の入っていない額縁、シミの付いた結婚写真、古い真鍮の望遠鏡・・・。しかし、モンタギューおじさんの話を聞いているうちに、エドガーは屋敷内で奇妙な音や気配を感じ始め・・。

 

モンタギューおじさんの怖い話

モンタギューおじさんの怖い話

 

 

 

 

 

 

味わいポイント

 

①「古く暗い屋敷」×「暖炉と紅茶」×「霧」=正統派英国ホラーの舞台装置

物語は主人公エドガー少年が、近くの屋敷に1人で住むモンタギューおじさんのもとへ通うところから始まります。

 

おじさんの屋敷は、森に近く、人気の無い場所にあります。エドガーはうら寂しい森の道を一人で辿り、屋敷へ通います。

たどり着いた屋敷もまた、なんとも陰気ゴシック様式古くて暗くて寒い。まさにおあつらえ向き。暖かな火が焚かれているのは、おじさんの書斎の暖炉のみ。

 

その暖炉端の肘掛椅子に深く埋もれて、おじさんがエドガーに聞かせる話は、怪奇話し。おじさんが物語を一つ、語って聞かせるごとに、エドガーは屋敷の中から窓の外から気配を感じる様になっていきます。読んでいただくとわかると思いますが、エドガーはいわば“育ちの良いお利口な男の子”。聡明で礼儀正しい、小さな英国紳士です。紳士らしく怯えを見せまいとしますが、それも徐々に出来なくなっていきます。

おじさんの話が進むうちに、窓外はやがてに支配されます。おじさんは度々温かい紅茶やお菓子をすすめ、エドガーはそれで何とか気を持ち直すのですが・・。

 

いかにも英国らしい「古く暗い屋敷」「暖炉と紅茶」「霧」が格調高さを醸し、“舞台装置”は万全です。

 

 もう一つ、舞台装置として大きな役割を果たしているのが、著者自らの手による挿絵。

物語の雰囲気に何ともぴったりなゴシック趣味満載の挿絵。この挿絵、刺さる人には刺さるのではないかと。(ブログ主はゴシック大好きですので、刺さりまくりw)

 

少しだけお見せすると、こんな感じ

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 チャプターの表紙絵も小さいながらTheゴシックです

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②(子供が読んで大丈夫か心配になるほど)大人が楽しめる残酷な物語

それでは、完璧な舞台装置を備えて紡がれる、おじさんの語る「怪奇話し」はというと・・・。

 

なかなかの残酷さ加減ですw

 

おじさんが語る物語は、幽霊・化け物系統もあれば、いわゆる精神異常系統もあります。

 

もちろん、そういった事物自体の描写も秀逸でぞっとするのですが、本作の特徴は起きた結果の残酷さ。どちらかというと、その起きた結果自体にぞっとする、という感じです。

 

逃げ場の無い木の上や崖に追い詰められた先、人知を超えた化け物に魅入られた行く末、異次元に閉じ込められた絶望感・・・。

 

また、おじさんが語る物語の主人公たちが全て子供という点が、一層後味の悪さを助長します。正直、児童書ですが、これ子供に読ませていいんだろうか、といささか心配になりますw

「悪い子に天罰が下る話しで怖がらせて良い子になるのを促す」とかいうレベルでは無い気がw

 

どちらかというと本作は、イヤミスの様な苦味切ったものを楽しめる大人にこそ相応しい気がします。

 

 

 

夜が長くなり、木々が葉を落として生き物の気配が消えていくこの季節。大人向けの格調高い残酷な童話は、いかがでしょうか?

 

 

 

※追記

 

夜が最も長くなっていく今の季節におすすめのゴシックホラー短編集。こちらもおすすめです。

shosetsu-eiga-alacarte.hatenablog.jp

 

 

 

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