小説ア・ラ・カルト〜季節と気分で選ぶ小説(時々映画)〜

季節と気分に合わせた読書&映画鑑賞の提案

透き通るほど美しく哀しい不朽の名作 「銀河鉄道の夜」宮沢賢治・著

するとどこかで、ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと云う声がしたと思うといきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊の火を一ぺんに化石させて、そら中に沈めたという工合・・・

新潮文庫「新編銀河鉄道の夜宮沢賢治・著 172頁より)

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ブログ主の住む関東は、まだ梅雨が続きそうですが、7月に入り、本格的な夏☀もすぐそこに迫ってきました。

7月といえば、すぐに七夕がありましたね。場所によっては8月の地域もあるとか。

“星祭り”の別名通り、星に彩られ、彦星と織姫の伝説も手伝って、ロマンチックな印象です。☆★☆★

 

しかし一方で、星は亡くなった人の魂、という逸話もあります。

 

今回は言わずと知れた不朽の名作、宮沢賢治(1896〜1933)の「銀河鉄道の夜」を紹介します。

まだ読んだことの無い方、あるいは読んだことはあるけど最近読んでいない方は、この機会に是非。

 

 

 

 

 

 

 

銀河鉄道の夜」(宮沢賢治・著)キーワード

 

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貧しく孤独な少年 

親友 星空を行く汽車 

天の川 はくちょう座 北十字 さそり座 南十字 暗黒星雲 死者 星祭り  

ほんとうのさいわい

 

 

 

 

 

 

 

 あらすじ

 

 主人公のジョバンニは貧しく孤独な少年。級友たちから、からかわれる事もしばしば。そんなジョバンニの唯一の親友はカンパネルラだけ。

ケンタウロス祭の夜も、級友たちにからかわれ、1人丘の上で泣いていたジョバンニは、気がつくとカンパネルラと2人、夜空を渡る銀河鉄道に乗車していた。2人は乗降する様々な人たちと交流しながら、星空をどこまでも渡っていく・・・。

 

 

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

味わいポイント

 

星の光も乗り合わせた人々も、どこまでも美しく哀しく・・・

行方の分からない父親の帰りを、病身の母親と待つ貧しい少年ジョバンニは同級生にからかわれ、一人夜の丘の上で泣いていたはずのところを、気がつくと銀河鉄道に乗車しています。そして隣には唯一の親友カンパネルラの姿が。

2人は星空を駆ける鉄道でひたすら先へと進みます。

 

天の川に沿って、はくちょう座北十字からさそり座、そして南十字と暗黒星雲へ。

 

星座と星座の間をいく鉄道沿いにも、無数の金銀砂子の星屑三角標シグナルが現れては飛びすさぶように後方へ消えていきます。そしてこの汽車は、2人が向かう進行方向へは進んでも、反対に戻ることはないのです。

 

ジョバンニとカンパネルラの前に現れる乗降客たち。化石発掘に夢中の大学士や鳥を捕って商いにしているという猟師。大学士も猟師も仕事に懸命ですが、どこかこの世のものではない様な雰囲気を漂わせています。

それが決定的になるのが、次に乗車してきた青年と姉弟。青年が言うには、乗っていた船が氷山にぶつかって沈み、連れの姉弟は彼が助けようとした姉弟との事・・。しかし、他にも多くの子供たちが救命ボートへの乗船を待っているところを押しのけてまで助かろうとは、どうしても思えなかったという青年は、せめて最後の時までこの姉弟共に居ることにした、と身上を語ります。

 

銀河鉄道とは、死者たち天上へ運ぶ鉄道だったのです。

 

 

 

作者宮沢賢治は37歳で夭折し、本作はいわば未定稿の形で残されているため、々な解釈がある作品。

しかし、正直なところ、世の中で小難しく解釈云々と言われているところは、どうでもよいと思います。ただ星空と人々の、透き通るような美しさ哀しさを味わえばよいと思います。

 

夏といえば、お盆や終戦記念日があり、亡くなった人に想いを寄せる事も多い季節ですね。今年の夏は、亡くなった人々に想いを馳せて星空を仰ぎつつ、この「銀河鉄道の夜」を読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

余談ですが・・・

ジョバンニとカンパネルラが出会った青年と姉弟。乗っていた船が氷山にぶつかって沈んだ、との事でした。もちろんこの船は、かの有名な「タイタニック号」のことです。

やはり日本でも知られるほど、ショッキングなニュースだったんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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