小説ア・ラ・カルト 〜季節と気分で選ぶ小説(時々映画)〜

季節と気分に合わせた読書&映画鑑賞の提案

男女のタイミングのズレがほろ苦くも爽やか 映画「Onceダブリンの街角で」

「彼をまだ愛してる?」 「・・・Miluju tebe」 (劇中の台詞 主人公の質問とチェコ語で返したチェコ移民のヒロインの答えより) ご紹介する映画は、2006年アイルランド制作映画「ONCE ダブリンの街角で(原題 ONCE)」です。 目次 あらすじ 味わいポイント …

チョコレートは甘くほろ苦いだけ?小説「ショコラ」ジョアン・ハリス 著

「でも、人生は祝福するべきものだわ。そのすべてを。つまり、その最後さえも。」 わたしは、ホットプレートに載ったポットを手にとって、ふたつのグラスにホットチョコレートを注いだ。 ( 角川書店「ショコラ」ジョアン・ハリス著 231頁より) バレンタイ…

映画観てきました「メアリーの総て」感想

正月休みに「メアリーの総て」という映画を観てきました。 とてもいい作品でした。やっぱり“あの監督”の作品だ、と噛みしめながら映画館を後にしました。監督の話は後に回すとして、まずはあらすじを。 あらすじ 今から約200年前に著されて以降、現在に至…

冬の港町。幻想的でノスタルジックな二少年の冒険譚を。「三日月少年漂流記」長野まゆみ 著

「寒くなったな、夜天(そら)が落ちてきそうだ。」 「夜天(そら)が、星ぢゃないのか。」銅貨が訊き返すと、 「夜天だよ。今にも留め金が外れて天井板のように落ちてきそうなほど凍ってる。」 ( 河出書房新社「三日月少年漂流記」長野まゆみ・著 74頁よ…

日本の正月の陰を描く小説「一月一日(いちがついちじつ)」永井荷風 著

「金田か、妙な男さね。日本料理の宴会だといえば顔を出した事がない。日本酒と米の飯ほど嫌いなものはないんだッていうから・・・」 「お分かりになりましたろう。私の日本料理、日本酒嫌いの理由(いわれ)はそういう次第です。」 岩波文庫「あめりか物語…

木枯らし1号が吹く頃になったら、じんわり沁み入る冬の絶品短編集を。「季節風*冬 サンタエクスプレス」 重松清 著

「もしもなっちゃんが「早く帰りたい」と言うのならせめて途中で『ひかり』に乗り換えよう、と携帯電話で時刻表を調べかけた、そのときー。 「ねえ、パパ・・・・・・ サンタさん」 なっちゃんが言った。 「はあ?」 「トナカイさんも、ホームにいるよ」 ( …

雪原のロシア辺境地で繰り広げられる一青年の冒険譚を。「大尉の娘」アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・プーシキン著

「じゃ行って来い、ピョートル。いったん忠誠を誓ったら、その人に忠勤を励むんだぞ。上官の言うことをよく守れ。上官の機嫌をとるじゃないぞ。勤務の上で出しゃばるな、また勤務をずるけるな。それからこのことわざを覚えとけ -おろしたてから着物を惜しめ…

プライバシーポリシー ①当サイトに掲載されている広告について; 「小説ア・ラ・カルト~季節と気分で選ぶ小説(時々映画)~」は、 Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによって、サイトが宣伝料を獲得できる手段を 提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムであるAmazonアソシエイト ・プログラムの参加者です。 ②当サイトに記載されている広告について; 当サイトでは、Amazon.co.jpアソシエイトの広告サービスを利用しています。 このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示 するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報「Cookie」を使用すること があります。 ③免責事項; 当サイトに記載する情報は記事公開時点の正しいものを提供するよう努めています。 ただし、提供している情報、リンク先などにより、いかなる損失や損害などの被害が 発生しても当サイトでは責任を負いかねます。 ④著作権について; 当サイトに存在する、文章・画像等の著作物の情報を無断転載することを禁止します。